Alfred Gratien_2022

Alfred Gratien
アルフレッド・グラシアン

※美Premium No.35 (2022.10.17)掲載

こだわり抜かれた製法で
伝統を守り続ける名門メゾン

樽発酵・樽熟成の製法から産み出される希少な味わい
栽培農家との信頼関係とこだわり抜いた製法の
伝統を今に受け継ぐ数少ないシャンパーニュメゾン

Photo: Akito Goto

4代目ニコラ・ジェジェが
継承するその技術と伝統

 1864年、アルフレッド・グラシアンは、23歳という若さでエペルネにメゾンを設立。さらに同年、ロワール地方のソーミュールにもスパークリングワインの醸造所を設立します。10年後には新しいパートナーのアルベール・ジャン・メイエを見い出し、グラシアン・エ・メイエと社名を変更、その後、子孫たちは、ワイン造りに対する哲学を継承し、2つの醸造所を発展させました。1905年以来、セラーマスターはジェジェ家が受け持ち、現在は4代目のニコラ・ジェジェがその技術と伝統を受け継ぎ、100年以上に渡り、厳格で正確なシャンパーニュ造りに取り組んでいます。

ニコラ・ジェジェ
4代目セラー・マスター。1990年に3代目である父ジャン・ピエールの下でワイン造りを開始。
2007年セラー・マスターに就任。2018年には、ギド・アシェット誌で最優秀シャンパーニュ・メーカーに選出。
伝統製法により長期熟成に耐えうるクオリティのシャンパーニュが誕生。
自社畑の2ha以外に、長期契約栽培を約65のぶどう栽培農家(およそ55ha)と結ぶ。生産者との信頼関係を築き、最高品質のぶどうを入手。

 素晴らしいシャンパーニュを誕生させるには、最高級な畑から、最上級のぶどうを収穫することが大切です。アルフレッド・グラシアンが購入しているぶどうは、62%がグラン・クリュとプルミエ・クリュのものです。こうして、手に入れた高品質なぶどうは、すべて古樽で発酵させ、熟成させるなど、今も伝統を守り続ける数少ない生産者です。

Photo:Akito Goto

右/2012 Brut Millésimé
[2012ブリュットミレジメ]

セパージュはシャルドネ65% 、ピノ・ノワール20% 、ムニエ15%。瓶内熟成8年。2012年は2008年に続く近年のグレートヴィンテージ。香りは複雑で、多層的なアロマ。口に含むと柔らかいムースが拡がり、豊かさを感じるボディ。シャルドネの凛とした酸と適度な重み、深みが余韻に続く、偉大なヴィンテージだが親しみやすい味わい。

左/1999 Brut Collection Memory
[1999コレクションメモリー]

1999年は、質、量ともに恵まれたグレートヴィンテージ。シャルドネ65% 、ムニエ20% 、ピノ・ノワール15%。熟成を感じさせる深みのある外観。とてもきめ細かい気泡が立ち上がり持続。20年以上の熟成を経てもなお、ミネラル、クリスピーさ、エネルギーがあり、いきいきとして、円熟した味わいながらも軽やかさも感じるシャンパーニュ。

 また、本来シャンパーニュに求められる「旨味のある酸」を大切にするため、マロラクティック発酵※を行わないことも特徴です。発酵後にじっくり寝かせることで、古樽を通過する微量の酸素によりミクロ・オキシジェナシオンが発生。適度な酸化でワインに円熟さが加わり、「旨味のある酸」が「旨味のある柔らかい酸」へと変化します。そして、スタンダード・キュヴェは、ソレラシステムで継ぎ足されながら熟成させたヴァン・ド・レゼルヴを40%アッサンブラージュさせることで安定した味わいが造り出されます。スタンダード・キュヴェでも4年以上の瓶熟成を行うなど、こうしたこだわり抜いた伝統製法により、希少なシャンパーニュが産み出されているのです。
※マロラクティック発酵
ワイン中のリンゴ酸が乳酸に変わり、酸味がまろやかになる発酵法。

ニコラ・ジェジェが自信をもってシャンパーニュ造りに取り組めるのは、父からの教えをシンプルに繰り返しているから。

Alfred Gratien
30, rue Maurice Cerveaux B.P. 3
51201 EPERNAY Cedex – France
TEL:33 03 26 54 38 20
www.alfredgratien.com/
シャブリの生産者から5年以上使用された樽を購入し、毎年ていねいにメンテナンスを行い、12〜20年近くまで使用。すべてのベースワインを樽で発酵させる数少ない生産者。

●WINE TO STYLE TEL:03-5413-8831 www.winetostyle.co.jp

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