Charles Heidsieck_2023

2023年10月19日

Charles Heidsieck
シャルル・エドシック

※美Premium No.39 (2023.10.24)掲載

伝説のジェントルマンの名を
冠したシャンパーニュメゾン

起業家や冒険家としてアメリカ社交界で名を馳せた
伝説の紳士シャルル＝カミーユ・エドシックの
類稀なカリスマ性をオマージュした味わいに魅了

Photo: Akito Goto

大胆なフレッシュ感と
エレガンスが追求された泡

　シャルル・エドシックは、１８５１年に、起業家であり、冒険家、そして生粋の伊達男として知られる類稀なカリスマ性を持った紳士シャルル＝カミーユ・エドシックが弱冠29歳という若さで創設したシャンパーニュメゾンです。単身渡米し、アメリカ社交界で一世を風靡し、後に「シャンパン・チャーリー」と呼ばれ、ヒュー・グラント主演の映画や歌のモデルにもなったこの伝説のジェントルマンは、南北戦争の渦に巻き込まれ、事業も命も危機に瀕すことになったものの見事に復活。英国をはじめとする王室御用達になり、成功を遂げるまでのその人生は波乱万丈に富んでいます。先見の明があった彼は、長期的なビジョンにたち、１８６７年にランスの地下にあるガロ・ローマ時代の採石場跡「クレイエール」を取得。世界遺産にも登録されたこの場所は、まさにシャンパーニュの熟成に理想の空間であることを見抜いていました。現在もすべてのシャルル・エドシックのシャンパーニュはここで熟成されています。

世界遺産にも登録されているランスの地下30mにあるクレイエールは、古代ローマ人の石切り場跡。現行の定番品のボトルはすべてこのシルエットが形象。

シャルル・エドシックのワインはすべて、1000年の歴史を持つクレイエールで澱とともに熟成。地下30mに位置する白亜のセラーは、年間を通して11℃という完璧な温度と湿度で保持。

　シャルル＝カミーユ・エドシックが生きていた時代より「シャルルのワインは、いつも飲めばすぐにそれとわかる」と評されていましたが、それを特徴づけたのはその贅沢な品質。ブリュット・レゼルヴのアッサンブラージュの約50％はその年のワインですが、残る50％はリザーヴワインを使用し、より複雑で深い味わいを生み出しています。さらに、ダニエル・チボー、レジス・カミュ、ティエリー・ロゼ、そしてシリル・ブランといった歴代の卓越した醸造責任者にも恵まれ、伝統を守るだけではなく、創業者譲りの大胆で自由な発想を元に新たな挑戦を続けています。

BLANC DES MILLÉNAIRES

［ブラン・デ・ミレネール2007 ］

¥48,400（箱入）

ブラン・デ・ミレネールはコート・デ・ブランの５つの主要なクリュから誕生。このキュヴェは非常に希少で、メゾンは30年あまりの間に7ビンテージのみ生産。ブラン・デ・ミレネール2007は規定をはるかに超え、15年もの熟成を経てからリリースされました。シャープで上品な酸味と絡み合っていて熟成する前の2004年ビンテージを彷彿とさせます。レモン、メレンゲパイのアクセントと繊細な塩味のノートと共に包まれる豊かなテクスチャー。さらに３０年もの熟成能力を備えています。